2012年4月5日木曜日

チューニングアップその2


前回のつづきで今回は再生器の説明です。

○スターリングエンジンの再生器とは

内部に取り込んだ流体の、熱効率を上げるために組み込むマトリクスの事をいうようです。

簡単に説明すると、流体が高温部から低温部に行き来する通路の間に、マトリクス(金網のようなもの)を挿入し、高温部から低温部に流体が移動するときに蓄熱させ、逆に低温部から高温部への移動時は流体を余熱することで熱損失を防ぎ、熱効率をあげる効果があるという事です。

詳細は下記をご覧ください。
海上技術安全研究所の平田先生には、この場を借りて御礼申し上げます。
その他のスターリングエンジンの原理についても詳しく説明されていますので、何度も使用させていただいています。ありがとうございます。

ただ模型のような小型エンジンでは、死容積の増大とマトリクスの流動抵抗の負荷が大きく、逆に出力の低下を招くようです。
それでもやりたくなるのが、素人で、そういえば前回の写真で通路の真ん中に無意味な空間がありませんでしたか。?



そうです、あれです、これは設計する段階で再生器を入れる目的で作りました。
しかし世の中は甘くなく、効果としてはほとんど実感できませんでした。

そんなわけで、それから忘れていたのですが、ひょんなことから再生器の効果なるものを発見しました。----------詳細はまた後日お話します。

今回は構造的な話だけをします。
それはマトリクスを使用しない構造で実現しました。厳密な意味では再生器と言えないですが、実際に効果があるのでこれまた???です。

これは、マトリクスの変わりに、下記写真の物を装着することで(ここではHPヘッドといいます)
上記効果が確認できました。




ステンレスヒートキャップからの伝熱で加熱,蓄熱されたHPヘッドの熱容量が大きいので、内部空気の熱損失が軽減されたのではないかと考えられます。

もちろんHPヘッドとシリンダー本体(灰色の部分)は断熱材で仕切っている為、HPヘッドほどシリンダーは熱くなりません。実際にシリンダー本体とHPヘッドの温度差が最大30℃ほど付きます。
また死容積が増えたにもかかわらず出力が見た目でも確認できる程増えました。

これはオドロキでした。
それ以外にも要因があるようですが、現在も調査中です。


比較の動画です。



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